2017年に買ってよかったもの・そうでもなかったもの
今年はDTM環境を色々試行錯誤して変えようとした一年でした。そんなこんなで物欲センサーが働いてお買い物をしてしまったんですがこれはよかった悪かったを振り返り、一年間野放しにしていた煩悩を退散させよう、という趣旨で色々とご紹介できたらと思います。
買ってよかったもの
本:ミックス・ダウンをDAWで学ぶ本
流行り廃りに左右されないミックスハウツーが身につきます。
ジャンル別に「曲をこんな感じにしたいから個々の音リソースをこう編集するんだ」という明朗快活で言い切ってくれる点が読んでて気持ちいいです。(こうしたほうが良いけどモノによります、といった曖昧な書き方ではないので初心者でも迷わない)
3ジャンル別に書かれていますが、自分的にはpopsだけで十分でした。自分の音楽の趣向に合わせて学習するジャンルを絞る使い方も時間対効果の効率は良いかもしれません。
詳細は本を手に取っていただいて読んでほしいのですが、タイトなトラックを作るのにGateプラグインを使う、という視点がすっかりなかったけどこの本で「どんなトラックでも適用できる使い方」を教わり、いたく感銘を受けました。
AIによるミックスやマスタリングが昨今流行りですが、まだ半自動化くらいかなと思います。最後の追い込みやトラック間のバランシングはまだまだ人力ですね。調整するにせよ、ミックスの知識は持っていたほうが良いと思いますのでこちらの本で基礎から学ぶと良さそうです。座学一辺倒ではなく、実際に手を動かしながら学べますので習得しやすい点も嬉しいですね。
また、著書にかかれたパラメータをプリセットとしてDAWに用意しておくと効率よくミックスができると思いますので是非、ご自分のDAWのプリセットに加えてみてください。
本:ギター演奏の常識が覆る!99%の人が弾けていない「本当のグルーヴ・カッティング」
一言で言うならゆるく弾いてキレるカッティングを身に着ける本です。
巷にあふれるカッティングノウハウに一石を投じた一冊となります。右手の振りの速さはカッティングのキレとは関係ないと言い切ってくれたのはこの本が初めてです。
「力んで頑張って弾く」ことで「やってる感」「弾いてる感」「頑張ってる感」に浸ってそこで思考停止してしまうのは危険ですね。カッティングに限らず、日々の練習も漫然とやっていてはうまくならない。本の題材はカッティングでしたが私はこの本から「ギターの練習方法はどうあるべきか」を考え直させられるきっかけになりました。
ソフトウェア音源:IK Multimedia - SampleTank 3 (MAX)
マルチ音源です。一言で言うなら派手さは無いが手堅い音です。
いろんな音色が1つのプラグインに内包されたソフトウェアマルチ音源ですが、個々の音色は専用音源の表現力に及ばないものの、10人並みな音色でほどよいという印象を持ちました。
- 変に個性が強くない
- 打ち込みで曲を作るうえで使いやすい
という強みがある音源と言えます。
専用音源の補間音源としても良さそうなので、既にいろんな専用音源をお持ちの方にもおすすめできます(例えば専用音源のアタックが遅くていまいちオケとなじまない時の代理選手にする等)SampleTankだからこそ「優秀な控え」という役割もそつなくこなしてくれます。
古い曲を全てBFDとSampleTankで作り直したけど結構イイです。参考までに私のYoutubeへのリンクを貼らせていただきます。
自分の曲を聴いてもらうと分かるけどえぐみのない音色で使いやすさが伝わっていただけると思います。
ただ、MAXじゃなくて無印のSampleTank 3でもよかったかなと思います。というのも私、MAXで付いてきた専用音源を全く使っていません。専用音源だからこそ癖があるようで。私自身が音源に「使いやすさ」「オケへのフィット感」を重視しているから手堅い音色に落ち着くのかも?
MIDI鍵盤:KORG - microKEY
省スペース、素敵です。デスクレイアウトの自由度が格段に上がります。
通常サイズのMIDI鍵盤だとデスクを占有してしまい、他の機材やPC周辺機器が置きにくくなります。しかしこちらのmicroKEYは奥行が2/3程度。重さもかなり軽減されていますのでレイアウトしやすいです。
ただ、鍵盤の奥行サイズも小さくなっているので、フルサイズの鍵盤に慣れている方は最初戸惑うかも。その点だけは注意です。
私は鍵盤をブロックで持ち上げて鍵盤の下にノートPCを潜り込ませるというトリッキーなレイアウトで使用しています。小さくて軽いからこそできる芸当ですね。
Bluray 外付けドライブ
DAWプロジェクトファイルのバックアップ用に購入しました。
HDD2台とDVD-Rの3重バックアップをしていましたが、DVDメディアだと1つのプロジェクトを複数枚のDVD-Rに分割して保存しなくてはいけないので手間でした。blurayなら最低でも25GB入ります。それだけあれば分割の必要もありません。バックアップのストレスが軽減した点は地味に大きいです。
ギターピックアップ:EMG DG20
文句なしに今年買って最高にはかどった1品です。
数年前に引っ越ししてからRecでノイズが目立つようになったんですが、EMGアクティブピックアップならノイズがかなり抑えられます。
しかもこのDG20なら組み立ての手間が(ほぼ)なし!ジャック部分の半田と、ピックガードのちょい加工で済みました。詳しくは別の記事で取付を紹介してます。
以上が今年買ってよかったものになります。どのプロダクトも今となっては手放せない相棒になってます。続いて今度は買っていまいちだったものです。
あくまで個人の見解と用途から判断したものであって、有用か否かは人によります。参考程度に聞き流してください。
いまいちだったもの
オーディオインターフェイス:YAMAHA - AG-03
安価にDSPアンシミュが使いたくて購入しましたがDSP使わなくなりました。
購入当初はDSPアンプシミュレータを使ってゼロレイテンシーレコーディングだ!とはしゃいでいました。
しかしDSPソフトウェア立ち上げるのが面倒、というズボラすぎる理由で使わなくなりました。我ながら情けない話です。「ソフト立ち上げるだけじゃん!」と思える方にはぴったりかなと思います。ハードウェア側のボタンでONOFF切り替えられたらまだ使ってたかも。
そもそも配信向けの製品なので、オーディオインターフェイスとしてはそれなりな感じ。そう考えると自分のニーズにマッチしてなかったと思います。それでも低価格なインターフェイスの中では優秀なので後悔はないです。
レコーディングの際のレイテンシーはどうしているかというと、最近は歪ませる曲でもクリーンで録音しちゃってます(笑
(余談)最近知ったんですが、IntelのCPUが大変革を起こしたらしく、小型ノートPCでもクアッドコアCPUを載せられるようになったそうです(今までは15インチとか17インチのノートPCじゃないと載せられなかったそうです)さらにデスクトップCPUに至っては6コアとか!CPU性能が上がれば上がるほどレイテンシー解消がしやすくなります。今後PCを買い換えたらレイテンシーも気にならなくなるかもしれませんね。
AIでミックス:iZotope neutron
AI化くるぞ!と思ったが自分みたいなオッサンにはまだ早かった。。
重い、マルチトラックにさせない(できて8つくらい)でまだまだ全トラック全てをお任せするのは無理かなというのが正直なところ。そもそも全トラックにさして使うものじゃないんでしょうね。ただ、CPU性能が向上すればシンプルなバンドアンサンブルの曲は全トラック対応できちゃうかもしれませんね。
AIに任せても良い結果にたどり着かないことも多々ありました。そのトラック単体は前にでてキレッキレのコンプレッションとハイファイな音になるんですがアンサンブルから前に出すぎてしまうこともあり、結局手動での調整が必要でした。自分がこのツールに適応できてない感じがして泣きそう。
2トラックにさして「EQ的にどの帯域がぶつかっているか」を可視化してくれる機能は素敵でした。この機能メインで使いたいのですが、それにしても自分の環境では重くて・・・PCを最新のモデルに変えないと気軽には使えないようです。
AIにミックスを丸投げできる!と思って買うとがっかりしますが、ミックス補助ツール的な気持ちで買うならアリかなーと思います。
総括
良い
- マルチ音源
- ギターアセンブリ
- MIDI機器
- 本
- PC周辺機器
悪い
- モバイルレコーディング製品
- AI
2017年を総括すると「新しいモノに飛びついてスベった」ですね。
買ってよかったな、と思うものは従来の自分の制作スタイル/ライフスタイルに準じた製品が占めている。対してあんま良くなかったなと思ったものは今までのスタイルを崩す製品だった。新しいものに飛びつく前にいったん冷静になったほうが良さそう・・・そんな教訓を胸に来年もいろいろトライしたいです。