momoseストラトタイプを宅録用にノイズレス化する話 2. ノイズレスピックアップ考

前回「momoseストラトタイプを宅録用にノイズレス化する話 1. 考察~取り外し」でmomoseのピックガードを外すところまではやりました。本来、ピックアップだけを交換すれば良いところですが、「momoseの綺麗なサーキットはあのまま保存しておきたい」という管理人の変態性からピックガード丸ごと交換することに相成りました(経緯については前回の記事参照)

今回はノイズレスピックアップ(パッシブ)を取り付ける、となったらどういう道具や材料が必要になるのか考えてみます。実際にノイズレスピックアップにするか、EMGのピックガードつけるだけセットにするかはまだ未定。

ノイズレスピックアップ(パッシブ)の利点

アクティブピックアップとは異なり、電池がいらないことですね。また、本来ならサーキットはそのままでピックアップの換装だけで済むことも利点の一つです。ただ、私のケースではピックアップ丸ごと交換するためその利点はなし。

ノイズレスピックアップは見た目はシングルコイルピックアップですが、中身はハムバッカーに近い設計思想らしいです。どういうことかというと、シングルコイルケースの中でコイルが縦巻きで巻かれててスタックしているからハムノイズに強くて出力が高いのが特徴、だそうです。なるほどよくわからん。

ただ、長いこと録音用にEMGを使っていた身からすると電池フリーというのは魅力的ですね。そんなしょっちゅう電池切れになることはありませんが、電池って捨てる時に絶縁したり、ゴミ捨て場から電池回収箱を探したりして結構めんどくさい(私情)ので避けられるなら避けたいです。

ノイズレスピックアップの罠

ノイズレスピックアップのいくつかのモデルは、通常のピックアップよりも高さがあるそうです。すると、ザグリの浅いギターなんかだとギター弦に触れてしまうこともあるそうです。なんという罠。

FenderのVintage Noiseless Pickupsはさほど高さもなさそう(現物を手に取ってみただけで、定規で測ったわけではないので注意)なのでこれにしておきます。税込みだいたい2万円くらいですね。

その他必要な材料

必要な材料を書き出してみます。

ピックガード ピンキリだが、安いもので1000円くらい(Keen Guitar Parts Factory社とか安くてよさそう)
ポット3つ これは楽器屋でもバラやセットで売っているのをよく見ますね。ものは好き好きでいいと思います。CTSなんかが評判いいみたいですね。AカーブとBカーブの2種あって、Aはほぼ直線的に増減し、Bはフルテンと8,9あたりでがつんと増減するらしいです。私はAカーブのギターばかり使ってきたと思うのでAにします。抵抗値はシングルコイルのギターなら250kΩ、ハムなら500kΩらしい。
Vintage Noiselessの場合、1MΩでキンキンにしろ!とか500kΩがいいぞ!という声をあるそうですが、英語のフォーラムでは250kを3つで使ってるけど支障ないし、むしろこっちのほうが甘くていいよ、みたいな意見も多い(というか250kがイイ!という意見のほうが多いみたい)ので250kにします。
5way スイッチ 安いもので1000円ほど、高いと4000円とか。国産オープンタイプ、国産クローズタイプ、US規格と3種類あってどれでもいいんですが配線時につなぐ場所が異なるので注意が必要です。ピックアップ自体が国産ではないので、ピックアップ配線図がUS規格で書かれていることも考慮してUSのものがよさそうです。
ピックアップ高さ調節用スプリング(またはゴム) ピックガードの下でピックアップを支えている縁の下の力持ち。バネは劣化しにくいですが取付にコツがいるので個人的にはゴムタイプがおすすめ。暑い夏を何回か超えるとゴムが溶けてピックアップがべとつくかもしれないので弦交換のときなんかに1,2年に1回は交換するとよいかも。300円くらいで手に入ります。(こういうやつですYJB PARTS シングルピックアップ用高さ調整ラバー
アウトプットジャック、アウトプットジャックプレート 併せて1200円くらいですかね。はんだ付けすることになるジャックと、ジャックにかぶせるプレートです。ジャックは経年劣化しやすく交換対象のパーツなので安くて頑丈ならなんでもいいと思います。ジャックはモノとステレオの2種ですが、アクティブPUはステレオ、パッシブPUはモノラルです。モノラルのものを購入します。
ポットノブ ポットに取り付けるノブです。セットで500円くらいのものからやたら高いものまでピンキリです。
本体アースラグ 導電塗料処理が施されたギター本体にアースをとるときに必要なアースラグ。momoseの本体にもあったものです。(こういうやつですMontreux Lug set No.8387 アース配線用ラグ
配線材 配線を変えると音が変わるぞ!とよく言われますが実際試したことがないので何とも。。。とはいえ、低価格のものだと断線しやすかったり熱に弱かったりもするのでそこそこのものは買ったほうがよさそう。Beldenなんかが定番ですね。(失敗なども考慮して)長さは大目に3mくらい買っておくとなると1000円くらいですね。
ポット用アースラグ マストアイテムではありませんがあると便利。ポットの裏へのアース線はんだ付けってかなり難しい(というかつけにくい)ので失敗しやすい。ポットの裏をやすりで削れ!とか、60Wとか80Wの熱容量の大きいはんだごてを買え!とかいろいろとコツがいるので面倒。これはアースラグなので「アースラグにアース線を取り付けたあと、ラグをポットにつける」という順序でやればポットを熱で殺すこともありませんし、ポット裏よりもはんだ付けの難易度は格段に下がります。(こういうやつですMontreux Pot Lug No.8000 アース配線用ラグ

ここまででだいたい27000円くらい材料費にかかる計算になります。むむ・・もうちょいプラスしたらEMGのピックガード取り付けるだけコンポーネントが買えそう

手間や時間を考えると早々にEMGセットにしてしまったほうが良さそうな気がしてきましたが、折角なので最後までプランニングしてみます。

必要な工具

材料のほか、工具も足りなければ購入が必要です。

はんだごて 配線用に30W、ポットアース用に60Wの2つあると良いそうです。が、私はHAKKOの40Wしか持っていません。配線は手早くやらないと絶縁被膜が溶け、ポット裏をやるにはコツがいるくらいの出力。まぁやれなくはないのですが。はんだごては1つあたりだいたい1000円くらいで手に入ります。4,5000円くらいだせば温度調整のできるこてが買えるのでそれでもいいかもしれません。今回は新しく買わずに40Wでやる想定でいきます。
こて台 これははんだごてを買ったときについてたものがあるのでそのままで。四角いスポンジを水にぬらしてこて拭きができるタイプのもの。小ネタですが、スポンジの先をV字に切り取ると、こてについた半田をふき取りやすいです。
はんだ 共晶はんだという融点が低いはんだを持っていたのでこれでいけそう。1リール1000円程度です。すずの含有量に注意してはんだを買ってください。63:37というすずの割合が多いと融点が低く溶けやすいです。ハンズなんかに50:50のものがしれっと同じ売り場で売ってますがかなり溶けにくく扱いが難しいので最初はお勧めしません。また、無鉛はんだやステンレスはんだなんかも使い勝手が異なるので注意が必要です。ギターなら63:37か60:40がやりやすいなと思います。はんだで音が変わる、らしいですがここは音よりも作業のやりやすさを優先したほうが電子部品へのダメージを最小限に抑えられます。
ヒートクリップ・ヒートシンク 配線がはんだごての熱で焼け死なないように熱を逃がすクリップです。こてを当てる部分よりも奥に挟んで絶縁被膜がこげたり、線の先の部品が壊れたりしないようにしてくれます。これは使えるなら積極的に使ったほうがいいです。私は3つ、メーカーも形状も違うものがあるので購入せず。ギターなら1つあれば十分です。1つあたり200円もしないはずです。
ニッパー・ラジペン ニッパーはポットの固定に使えます。ポットの先端をニッパーで挟み、ニッパーの取ってを輪ゴムで絞めておくと固定具になります。ニッパーは配線のカットや被膜剥きに使います。ワイヤーストリッパーという被膜向き専用工具があるとなお良いですね。
テスター 半田付けする前の部品の通電チェック、半田後の通電チェックに使います。無くてもできますが、何らかの問題が起きたときにどことどこが接触不良かなど問題の切り分けに使えるので盛っていたほうが良さそう。

道具一式
道具の一部抜粋。左からはんだ、ヒートクリップ3種、簡易テスター。このほかにはんだごて、こて台、ニッパーやラジペンが必要。できればワイヤーストリッパーも。

私はほとんど持っていますが、こて、こて台、はんだ、ヒートクリップを買うとだいたいここまでで合計33000円くらいかかる計算に。もうこれEMGのセット買えますね。

はんだの練習

しばらくはんだしてなかった、はんだはやったことがない。そんな方は練習キットで練習してからやったほうが良いです。はんだごてやはんだを新調したときもやったほうがいいです。

「はんだ 練習キット」で調べると結構な数ひっかかりますが、どれも大差ないので1500円くらいのものを買って練習すればよいでしょう。ギターの場合、複数の線をまとめてはんだ付けするシチュエーションもあるので、配線はんだだけはキットではなく自前の配線材で練習が必要です。

配線図

「ギター 配線図」で調べると大量に画像検索で引っかかるので特に迷うことはなさそう。pot2をブレンダーにするブレンダー配列なんかもあったりしてギター改造のいろはが学べます。ボリュームポット背面のアースはんだが難しいだけで他は単なる配線付けなので道具さえそろってて練習済みならさほど問題はなさそうですね。

総括:お金も時間もかかる

ピックガードから何から何までそろえると3万円を軽くこえることがわかりました。ここまでして作ってもプロ品質のサーキットが手に入ることはありません。すると費用対効果が悪いことが分かりました。

一度経験しておけば、ちょっとの故障も自分で修理できるようになる「一生ものの技術」は手に入りますが、忙しい現代を生きる我々には手間がかかりすぎる印象です。

いつか自分の手で自作したいな、と思いつつも、それをmomoseのギターでやるのはちょっと忍びないな、というのが正直な感想です。

というわけでとん挫したノイズレスピックアップ(パッシブ)計画ですが、次回に続きます。次回はEMGセットの導入です。

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