AIは30越えオッサンDTMerの救世主か?

今回は音楽情報ではなくあくまで一個人の感想。閑話休題です。

AI家電の話、AIと非AI機器の比較、DTMにおけるAI市場、AIがおっさんにくれたものというトピックをつらつらと書きます。

AI技術が一般化されつつある

ここ数年、AIの話をよく聞くようになりましたね。TVでもIBMのワトソン、DMM.Robot等、「AIってすごいんですよ」という主旨のCMを見かけます。一部で盛り上がりを見せるAIですが、我々一般人にはいまいちピンときません。

私もその一人です。AIってすごいみたいだけど遠い世界の話だよね、くらいにしか思っていませんでした。

しかし家電メーカーのシャープがAIとネットワーク連携機能を搭載した次世代家電「AIoT家電」なるものを開発し、商品化に向けてプロジェクトを進めているという情報もあります。家電という一般人にも馴染み深いプロダクトにAIが搭載されることで、AIがもたらす未来の形が一気に鮮明に想起できるようになったと思います。案外AIが一般家庭に浸透する日は近いかもしれませんね。

AIとユーザが会話を通じて使いやすく成長する。AIというのはまっさらな状態は赤ん坊のようなイメージなんでしょうか。物事を教え込めば教え込むほど、ユーザの趣向に合わせた進化をすることで成長していくようなイメージですね。これは便利!

AIと非AI機器の違いってなんだろう

前述の通り、AIは「教育」を通じて自分用に最適化できます。さながら紫の上を自分好みの女性に育てて自分がおいしいところを持っていく光源氏のようですね(源氏物語)。また、ユーザの入力に対して「経験則から判断」し、ユーザに反応を返すような有機的な反応を返すことができます。

対してAIを搭載していない従来の機器は教育もできませんし、「判断」して良いようにやってくれません。DTM的に言うとプリセットしかなくて「自分で調節してね」といった感じでしょうか。

AIが判断してくれるなら人間は判断しなくても良い?

判断や決断というのは非常に労力が要る、と聞いたことがあります。かのAppleのスティーブ・ジョブズが同じ服ばかり持っていたのも「重要な判断のために生活から判断しなければならないことを極力減らして判断力を温存するため」だったそうです。

AIが人間に代わって判断することで、人間自身の判断力が退化するんじゃないかという懸念の声も一部ではあるようですが私はそうは思いません。

瑣末な判断や定常化された判断をAIにゆだねることで、人間はより重要な判断のために判断力を温存することができるようになると考えています。するとここぞという場面で良い決断ができ、QoL(生活品質)向上にきっと役立ってくれることでしょう。

DTM畑にも現れたAIツール

DTM界隈もAIと無関係ではありません。ひょんなところからAIに触れる機会に恵まれました。皆さんご存知のLANDRです。

AIが2mixを分析し、最適なマスタリング処理を施してくれるというサービスですが、今までに無い斬新さが目を引き、一気に有名になりました。

LANDRリリース当初は処理後の音源を聴いてもいまいち音圧があがりきってない印象でしたが日を追うごとに進化し、今では正直私ごときでは敵わないレベルに良いマスタリングをしてくれる気さえします。※私がヘボヘボなのはおいといて。。。

同じ自動マスタリングツールとしてeMasteredもあります。いずれのツールも「人間が試行錯誤すると膨大な手間がかかる作業を代行する」という点がAIの便利さを物語っているように思えます。

また、izotope社のプラグインneutronも一世を風靡しましたね。こちらはトラックを解析してAIがイイ感じのミックスを提案してくれるというもの。ミックスという作業はマスタリング以上に「膨大な手間がかかる作業」です。全自動ではないにせよ、ある程度の精度までAIがやってくれるのであればそれはそれで手間が省けるのかもしれません。

(トライアル版を使った際、私個人はあまり使い道を見出せてなかったのですが、AIを「提案してくれるサポートエンジニアさん」として考えると優秀なんじゃないかと思えてきました。)

AIは30overなDTMerの救世主?

DTMの世界もついに機械が支配するようになったかー!というのは大げさにせよ、多くの個人音楽家にとってこのAI技術の進歩は歓迎すべき流れかなと思いました。特に私のようなおっさんDTMer。

企画、作曲、打ち込み、ミックス、マスタリング・・・個人でやると非常に時間がかかります。生きていくために日中は他の仕事をしていたらなおさら時間が限られてしまう。

ほんの少ししかない自由な時間と、膨大な時間を要するDTMというこの対比を目の当たりにすると正直絶望しかありません。真面目にやろうとすると休む暇を削るしかなくなります。こうなると次第に人は「時間が取られる作業」を避けるようになりますし、実際にDTMを卒業してしまう友人を何人も見てきました。人間、そう動き続けられるほど頑丈にはできていませんからね。寝る間も削って仕事にDTMにと心血を注いでいると短期的にはできても長期になるとどこかでオーバーヒートしてしまいます。

この感覚は30歳越えた方なら分かっていただけるかもしれません。10代20代のころは膨大な時間をかけてでも没頭できる体力と愚直さがありましたし、何より自分のことだけやってられる時期だったと思います。しかし30代になって体力も落ち、人生のライフステージでは「自分のこと以外のナニカに取られる時間」が増えてどんどん自由な時間が減る。この状況下でDTMのような膨大な時間を要する作業は正直シンドク感じないでしょうか。

そこで時間短縮のためにAIが使えたら。。。おっさんでもまだ戦える気がしてきませんか?ミックスやマスタリングのようなエンジニアリング要素の強い作業を機械に代行してもらえるなら、企画や作曲にもっと時間が使えるんじゃないでしょうか。本来、作曲をメインでやっている人はエンジニアリングを外注に出してしまいたいと感じている人は少なくないんじゃなかろうかと。

完成した曲でいくらかお金が得られるならそれもありですが、ほとんどの人はマネタイズできていません。そんな弱小おっさんDTMerにもやさしくアドバイスをくれるAIは心強いパートナーなんじゃないでしょうか。

AIとともに歩むDTM道

LANDRやeMasteredにはまだジャンル毎の違いを計算したマスタリングのような有機的な挙動はできません。また、neutronは複数トラック同士の衝突解消や音楽的な良し悪しを基準としたミックスはできません。

万能ツールではないにせよ、これらのAIが私のようなおっさんに与えてくれる時間的余裕は無視できません。

私自身、できれば生涯に渡って創作は続けたいと思っています。しかし年齢を重ねるごとに使える時間が減少し、正直焦りがあったように思えます。

そんな中、AIはDTMにとって何よりも必要な「時間」という資源をプレゼントしてくれるんじゃないかという期待を込めて見ています。

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